My Favorite Mountains No.5

環黒部源流大縦走 山域;北アルプス 難易度;☆☆☆
山行日;2001.7.21()〜27()
ルート
(高低図)
第1日目;扇沢-室堂-浄土山-五色ヶ原
第2日目;五色ヶ原-スゴ乗越-薬師岳-太郎兵衛平
第3日目;太郎兵衛平-黒部五郎岳-三俣蓮華岳-三俣山荘
第4日目;三俣山荘-鷲羽岳-黒部源流-雲ノ平
第5日目;雲ノ平-高天ヶ原温泉-雲ノ平
第6日目;雲ノ平-水晶岳-赤牛岳-読売新道-奥黒部ヒュッテ
第7日目;奥黒部ヒュッテ-平ノ渡し-黒部ダム
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ガイド

感想
























































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感想
























































ガイド

感想
 第1日目  黒部立山アルペンルートの扇沢発トロリーバスの始発(7時30分発)に乗って出発。 乗り継ぎの黒部ダムからは赤牛岳が良く見える。 ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗り継いで室堂着。 いつもの事ながら乗り継ぎが多く疲れる。
 室堂バスターミナルを出るとまず立山が歓迎してくれる。 室堂周辺もまだ残雪が多いみたい。 重いザックを担いでまず一ノ越を目指す。 整備されまくって面白みの無い道を大した苦労もせずに一ノ越着。 ここまではたくさんの人で賑っていたが浄土山へ向かうと静かな山に。 途中荷物を置いて縦走路からちょっと外れた浄土山を往復するもピークらしいピークも無く、とりあえずピークハントしただけって感じ。
 龍王岳は登山道は無いが頂上へ向かう顕著な踏み跡はあり。 しかし稜線がガスりはじめたので今回はパス。 ガス時々晴れといった天気の中を一人黙々と歩く。 鬼岳付近ではコバイケイソウの群落が咲いていた。 高山植物への興味って最近あんまりないけどコバイケイソウは好きな花の一つ。 ガスって景色が見えない時は花を見ながら歩くのも悪くないかな。
 獅子岳・ザラ峠を越えて五色ヶ原着。 二つある山小屋のうち北にある五色ヶ原ヒュッテは営業していなかった。 ここでビール買って飲みながらテン場へ下る予定だったのに…。 ハクサンイチゲ・チングルマが咲き乱れる五色ヶ原をテン場まで下る。 テントを貼ったらテン場の申し込み&待望のビール購入のため五色ヶ原山荘へ登り返す。 そして五色ヶ原山荘で待ってたものは…なんと生ビール!!! 中ジョッキを一気に飲み干してさらに缶ビールを買ってテン場へ下る。 昼寝して夕食食って6時半頃就寝。こんな明るいうちに寝れるなんてある意味幸せ。
と思ったのも束の間、7時半頃突然の夕立で起こされる。 テントだと激しい雨が降るとうるさくて寝られたもんじゃない。 そのうち雨も止んで再び爆睡モードで本日終了。 ちなみに五色ヶ原のテン場は山荘まで申し込みに行かなくても 山荘の方が確認に来た時に申し込めばOKです。 しかもその時にビールも購入できるのでてんと張ったら動きたくない方はテン場で待ってるだけで申し込みもビールも買えます。

 第2日目  午前2時半、目を覚ましてテントから顔を出してみると、超☆満天の星空!! テント泊山行ってこーいうところが凄く良いよね!! 天の川なんかもはっきり分かるけど星が多過ぎて星座は全くわからん。 何等星くらいまで見えてんのかな〜?そんな星空を見ながら定番のチキンラーメンを食って山行準備。 今日は行程が長いので早めに行動開始。 3時半頃出ようかと思ったけどまだ暗いしヘドラン点けて歩くのもイヤなんでうっすら明るくなった午前4時出発。 五色ヶ原一帯の登山道は木道になってるので多少暗くても全然歩きやすい。 鳶山へ向かう道の途中でご来光。 だけど薄雲が多くイマイチ。 鳶山からは残雪豊富な五色ヶ原が見下ろせていい感じ。 降りかえれば昨日歩いた稜線にくわえ剱・立山も見える。 南西に目を向けると意外と端正な姿を見せている赤牛岳とその横に槍ヶ岳。 南南東にはこれから向かう薬師岳。 稜線を越中沢乗越まで250mほど下った後越中沢岳までまた250m弱の登り返し。 ゆるやかな気持ちのよい稜線を登り切った後の越中沢岳は縦走路中の名展望台!!! 360°さえぎるもの無く見渡せ、北アルプスの中にいる喜びが沸いてきました。 縦走していていいなぁ〜と思うのはこういうあまり有名ではないピークでこの様な素晴らしい景色に出会えること。 特に回りが名山ばかりなので感激もひとしお。 今回歩く予定の山々のほとんどが見えててあまりに気分が良いので30分ほど大休止して景色を堪能してました。
 しかし縦走第2日の『天国』はここまで。 越中沢岳からスゴノ頭は勾配のきついアップダウンの繰り返し。 ザックが重いため足への負担は予想以上に大きい。 スゴノ頭からみる越中沢岳はなんとなく中央アルプスの山の雰囲気を持ってる感じ。 疲れた足をしばらく休ませた後、スゴ乗越小屋までいやらしいアップダウンの多い道を進む。 この越中沢岳〜スゴ乗越小屋までの区間、アップダウンが多く非常に疲れました。 1日の行程が五色ヶ原〜スゴ乗越小屋までなら問題無いのですがこの後薬師越えをする場合は ここであまり体力を消耗しないようなペース配分を心掛けましょう。
 スゴ乗越小屋のテラスでこれまた定番のカロリーメイトのみの昼食をとっていよいよ薬師越えに取り掛かる。 間山へ着く頃にはガスが出始め、目指す薬師岳は見えず。 ペースも相当落ちてコースタイムよりもやや遅れ気味。 かなりバテながも頑張ってようやく北薬師岳に到着。 ガスの切れ間から見える金作谷カールは残雪いっぱい。 北薬師岳〜薬師岳は穂高の稜線のような岩稜帯を行く。 何げにこういう登山道は好きなんでバテてる上にガスで景色が見えなくてもちょっぴり楽しい。 苦労の末たどり着いた薬師岳頂上はガスの切れ間にあって東側のみ景色が空けてる。 ゆっくりしたい所だけど遠くで雷もなってるしはやめに下山。 薬師岳山荘までは歩きやすい道であっという間に下る。 山荘前でザックをおろした途端夕立に襲われる。 腹も減ったし山荘でおしるこ食べながら雨宿り。 30分ほどすると雨も弱くなったので最後のひと踏ん張りで太郎兵衛平のテン場まで下る。 しかし我ながら下りは速い。 コースタイムの6〜7割くらいで歩けちゃう。 ちなみに登りはコースタイムの8割〜+1割くらい。 午後3時50分テン場着。 本日の行動時間(休憩時間含む)は11時間50分。 コースタイム(休憩時間除く)も11時間50分だからまぁこんなもんか。 前半飛ばして薬師の登りで遅れて最後の下りで挽回。 まぁそれでも今回の縦走で最長行動時間の2日も無事に終われてビールを美味しく頂いて7時前には就寝。 いや〜、それにしても疲れた。

 第3日目  深夜1時頃ふと目を覚ましてテントから顔を出してみると今夜も超☆満天の星空。 標高が若干低い分五色ヶ原にはやや劣るか?なんて思ってたら流れ星 ☆彡。 満足してもう一眠りして午前3時半起床。 いつものチキンラーメンを掻きこんで午前4時半出発。 …どうやら昨日の疲れが回復しきってないらしい。朝から足が重い。
 どこがピークかわからない準平原の太郎山からはこれからむかう北ノ俣岳のたおやかな稜線が広がる。 でも頂上はガスってそう。 牧場のような北ノ俣岳の登路は花の王国。 ハクサンイチゲ・コバイケイソウetc.が咲き乱れる向こうには赤木平の気持ち良さそうな準平原が望める。 しかし頂上に近づくにつれ視界は真っ白に。 昨年ここを登ったしなけんの後輩らの情報からかなり期待していた北ノ俣岳は結局ガスの中でな〜んにも見えず。残念。
 中ノ俣乗越まで下った頃ようやくガスが晴れて青空、そして黒部五郎岳が顔を出してくれた。 乗越から黒部五郎岳の肩まで疲れの残る体に鞭打ってやたら立ち休憩しまくってようやく到着。 ザックをデポして黒部五郎岳の山頂へ。 槍穂方面はガスって見えないながらも雲ノ平、赤牛、水晶、鷲羽がガスの切れ間から見える。 しばらく景色を堪能した後カールへと下る。 で、このカールの景色もまた見事!!なんかい〜感じ。 どういう風にいいかは実際見た人じゃないとわからないかな。 単に作者の表現力不足という話も…。 カールの底を横切った後もしばらく樹林帯を歩いて黒部五郎小舎に到着。 コバイケイソウを眺めながらりんごを食って大休止。
 休憩後予定どおり三俣蓮華岳へ向かう。 黒部五郎小舎裏の樹林帯は勾配もきつくしんどかったが樹林帯を抜けると涼しい山の風が吹く中を快適な稜線歩き。 三俣山荘への巻き道との分岐で一瞬心が揺らいだものの初志貫徹で三俣蓮華岳山頂へ。 思ったよりも早く分岐から30分ほどで頂上着。 でもガスで景色は真っ白。 とりあえず証拠写真(記念撮影ともいう)を撮ってとっとと撤収。 三俣山荘へ着くと今日1日抜きつ抜かれつした親子パーティー、単独行の中年女性とビールで乾杯。 槍が見えないのは残念だが鷲羽岳がすっきりとした姿を見せてくれている。 いつものフリーズドライを食って第3日目も無事終了。

 第4日目  珍しく朝まで爆睡ぶっこいて午前4時起床。 が、テントの外は一面のガス。 今日は行動時間も短いので二度寝モード突入。 30分後起きてもう一度外を見ると依然変わらず濃いガスの中。 三度寝して5時頃あきらめて朝食&準備。 6時頃出発して鷲羽岳への急登をゆっくりゆっくり登る。 それでも荷物が軽くなってきたせいか1時間ほどで鷲羽岳頂上へ。 予想どおりガスで真っ白。 しかし時折ガスの切れ間から青空が覗き、風も強く少し待てばガスが晴れそうな予感。 そんなわけでしばらく頂上で待機。 だんだん青空が見えている時間のほうが長くなり、眼下には鷲羽池も見えてきた。 そして頂上で待つこと1時間、ついにガスの切れ間から槍ヶ岳!! この瞬間の喜びは何て言い表したらいいのかな〜?? とにかくすっごい嬉しくて更にしばらく待ってるとほぼ完全にガスが晴れて360°の大展望!! 鷲羽岳山頂は北アルプスのほぼど真ん中。 北アルプス南部の山々、南アルプス、八ヶ岳、そして富士山とたくさんの山が見渡せました。 中でも圧巻は北鎌尾根から突き上がる槍ヶ岳の迫力!! ここ鷲羽岳は槍の名展望台として知られているけど、前回裏銀座縦走中にここを訪れたときは ガスに阻まれて見ることが出来なかったため、ここから見るのは今回がはじめて。 ただでさえ素晴らしい展望なのに加え、ガスの中待ちつづけた事とかここまでの長い道のりの苦労もあったため 目頭が熱くなってしまいました(;;)。
 あまりの景色の良さにガスが晴れてからも1時間以上頂上に居座った後ようやく出発。 予定では岩苔乗越から祖父岳(じいだけ)を越えて雲ノ平入りするつもりだったのだけど体力と時間が有り余ってるため 岩苔乗越から一旦黒部源流に沿って下って日本庭園経由で雲ノ平入りする事に。 岩苔乗越から下りてすぐ黒部源流沿いへ出る。 そこからほんのちょっと沢沿いに登ったところで黒部源流の最初の一滴に遭遇。 源流のすぐ横を行く登山道を下りながら源流の成長(?)を見守る。 ある程度水流が増した頃登山道を外れ沢の中を飛び石伝いに歩く。 これがなんちゃってバリエーションルートっぽくてなかなか楽しかった。 整備された登山道ばっかり歩いてちゃ技術も向上しないしね。 しばらく下るとスノーブリッジが現れたため登山道に復帰。 三俣山荘から雲ノ平へ行く近道との出合で昼食。 いつもはカロリーメイトだけどこの日は『黒部源流水でつくる冷やしそうめん』。 密かにそうとう楽しみにしていたのだけど途中お湯をこぼすハプニングがあったりしてちょっと失敗…。 それでも目的を一つ達成できた事に満足して雲ノ平にむけて出発。
 急登が終わると残雪豊富な高原。 そこから少し行った所が日本庭園と呼ばれている所かな? 標識とか無いんで確定できないけれどいい感じのところでした。 そこからさらに祖父岳を巻いて行くと裾を広げた雄大な水晶岳が見えてきた。 なんか、すご〜くいい感じ。 あまりに景色がいいので下を見ずに歩いてたら大転倒。 顔面をしたたかに打って思わず泣きそうになってしまった。 血を拭いて気を取り直して少し歩くとテン場着。 ここからは『主役』の水晶岳は見えないけど昨日歩いた黒部五郎岳がいい感じで見えている。
 テントを張って荷物を軽くして雲ノ平散策に出発。 テン場西の斜面を登るとまた水晶岳が顔を出す。 木道の回りは一面お花畑。 チングルマ・ハクサンイチゲがメインでところどころコバイケイソウの群落。 雲ノ平山荘の周辺はギリシャ庭園と呼ばれているらしい。 そこから更に西へ行くと祖母岳(ばあだけ)への分岐。 ちょっとした丘のような祖母岳は雲ノ平でも一段と高いところにあるため景色が最高!! アルプス庭園と呼ばれる祖母岳山頂一帯はヤマノボラーにとってはまさに夢の庭園!! 北アルプスのど真ん中、名だたる名峰に囲まれてしばらく幸せな気分に浸る。 道を少し戻って更に西へ。 『庭園』という言葉が最も相応しい景色がひろがるところで一休み。この辺は奥日本庭園か? ちなみにこの○○庭園という名前、登山地図やガイドブックには載ってるものの行き止まりとなるアルプス庭園、 スイス庭園以外は標識が無いので注意。 さらに西へ行くと針葉樹が立ち並ぶアラスカ庭園。 荷物も軽いしついでという事で木道の西端まで行って雲ノ平を一通り踏破してみる。 来た道を返し水晶岳を正面に見ながらアラスカ庭園、奥日本庭園、ギリシャ庭園をのんびり歩く。 最後にスイス庭園に寄ったが水晶岳の迫力はここが一番!! しばらくのんびりしてからテン場に戻ってまたものんびりして夕食。 ひたすら歩き回った前日、前々日のような日も充実感があっていいけどこういう風に山に囲まれてのんびり過ごすのも いいな〜と感じつつ第4日目終了。結果的には今回の縦走で最も満足できた日でした。

 第5日目  夜中いつもどおり目が覚めてこれまたいつもどおり星空を見上げる。 期待どおり今夜も超☆満天の星空。 そして星空の中に黒部五郎岳のシルエットも見える。 毎度の事ながら山で見る星空は最高っス!!
 本日は密かに今回の山行のメインイベント、北アルプス最奥の高天ヶ原温泉でゆったりしよう!!!の日。 行動時間には余裕があるものの早めに行動開始。 ギリシャ庭園から高天ヶ原への道に入り奥スイス庭園とやらを通過したら後はひたすら下る。 始めは薬師岳の展望などを楽しめるが途中から樹林帯に入ると展望効かず。 ひたすら下って行くと高天ヶ原峠。 そこからさらに下って行くと岩苔小谷。 その先は高天ヶ原の湿原が広がり、ニッコウキスゲ、ワタスゲなどこれまでと違う高山植物が姿を見せる。 標高が低いためかチングルマはもうほとんど綿毛になっていた。 その先の高天ヶ原山荘でビールを買い込みさらに奥へ進む。 温泉は思ったより遠く初めに『ねむりの湯』、次に『からまつの湯』がある。 とりあえずスルーして高天ヶ原の最奥地にある竜晶池へ向かう。 これもなかなか遠く飽きてきた頃にようやく竜晶池着。 踏み跡をたどって池を半周すると薬師岳が水面に映り込み神秘的な景色。 最奥の池を堪能したらいよいよ温泉へ。 とりあえずは元湯の『からまつの湯』へ。 ここは混浴用の露天風呂と仕切りに囲まれた女性用の二箇所。 女性用の仕切りは薄いのでシルエットくらいは見えちゃいそうなので女性の方は注意。 混浴用は天然の露天風呂らしい雰囲気。 お湯はややぬるめで硫黄臭もあっていい感じ。 景色は温泉沢のガレ場と森が見え、それに水晶岳〜赤牛岳の稜線がほんの少し見えるかな〜って程度。 で、早速入ってみると…まさに極楽!!! 先ほど小屋で購入したビールを開けて朝っぱらからまったりモード。 こんな山の奥のさらに奥にある天然温泉露天風呂でひとりビールを飲んで至福の絶頂っちゅう感じ。 あまりの気持ち良さとほろ酔い加減で1時間半ほど待ったりした後、新湯の『ねむりの湯』へ。 こちらは混浴用のみ。お湯はかなりぬるめで名前どおり眠くなってしまう感じ。 泉質は一緒っぽいけどこちらの方が湯の花が多いかなぁ。 景色は森の風景のみ。 先客が帰った後、先ほどの酔いも手伝ってか見事に爆睡。 しっかり温泉を堪能したら高天原山荘に戻って昼食。
 帰りは水晶池〜岩苔乗越〜祖父岳を経由して雲ノ平へ。 温泉臭い汗をかきながら登る事1時間弱で水晶池との分岐。 少し下って水晶池に行ってみると、池は枯れていて水たまりが少しある程度。 池跡からは水晶岳方面の眺めが良いだけに残念。 気を取り直して再び登る。虫が多くてかなりウザい。 岩苔小谷が見えてくるともう少し。 温泉の効果かいつも以上の汗をかいてようやく稜線着。 あとは祖父岳を越えて雲ノ平のテン場に戻りまったり。 それにしてもいい湯でした。

 第6日目  縦走もいよいよ終盤、食糧が減って少しは軽くなったものの相変わらずでかい荷物を担いで祖父岳を登る。 頂上でのご来光には間に会わなかったが朝の光に照らされた山々を見ながらしばらく気持ちの良い稜線歩き。 しばらく歩いて今回の縦走の最高峰、水晶岳(2986m)。 ひととおり景色を堪能したら赤牛岳へ。 さすがに水晶岳から先は登山者が少ない。 緩いアップダウンを繰り返す快適な道を行く。 稜線からはこれまで来た縦走路や昨日見た干乾びた水晶池も見える。 2時間半ほど歩いて最後の頂上、赤牛岳。 行く先には黒部湖、後ろには水晶岳。 左にはカールが顕著な薬師岳がでかい。 右には裏銀座の稜線。 薄雲が広がってはいたがそれでも360°の大展望を堪能したらいよいよ下山。 読売新道も森林限界より上にいる間は快適な道。 しかし樹林帯に入るとそこに待ってるものは… この道が長いということは一応知っていたつもり。 しかし単調な上、虫も多く、滑りやすく、熊が出るかも知れないという気持ちでのこの長さはしんどいっス。 とにかく長い!!うんざりしてもうヤだと思ってもまだ着かない。 前半飛ばしすぎたせいでバテ気味なのだが座って休もうものなら虫が寄って来てウザイことこの上ない。 途中ハシゴ場があるとこが唯一の変化点くらいなものであとはほとんど変わらない景色の中をひたすら下る。 文句たれながら、愚痴をこぼしながら、弱気になりながらそれでも歩きつづけているとようやく奥黒部ヒュッテ着。 結局、赤牛岳〜奥黒部ヒュッテまで3時間半弱で着いたのだが気分的には5〜6時間くらい歩いたような感じでした。 読売新道は2001年7月現在改修中で改修が終わればもう少し歩きやすくはなるのかな〜とは思いますが距離は変わらないので ここを歩く予定の方はそれなりの覚悟をしてきて下さい。ただ、危険箇所とかは特に無かったですので体力・気力が あれば問題無さそうですが。

 第7日目  長かった縦走もついに最終日。今日は黒部川〜黒部湖に沿って多少アップダウンしながら歩くのみ。 って思ってたらそんなに甘いもんではなかった。 いつもよりのんびり最後のチキンラーメンを食べて8時奥黒部ヒュッテテン場発。 はじめはただの平地歩きだったのだけど、そのうちさすが黒部の峡谷と思わせるような険しい道に。 沢があるたび急勾配のアップダウン。ガレ場があれば大きく高巻き。 特に危険という事は無いけど予想以上に遥かにアップダウンがきつい。 常に黒部川が見えていてこちらの眺めはすこぶる良い。 黒部湖の末端につくとようやく道も素直になって行く。 1時間半ほどで平ノ渡し着。 平の渡しは1日4便。時間は奥黒部ヒュッテで確認の事。 作者は10時20分発に乗る予定のためしばらく休憩。 何度か遊覧船が通過するたび乗っけてってくんないかな〜と思う。 予定どおり10時20分に対岸からモーターボートが来て渡船。 この船での移動、何げに楽しかったです。 ちなみに料金は無料。船員も感じのいい方たちでした。
 対岸に渡ってからも小さなアップダウンは続く。 基本的にはずっと木陰を歩くのでそこそこ快適なのですが読売新道同様、とにかく長い!! 景色は徐々に変わっては行くのだけれどじきに黒部湖の大きさがイヤになってくる。 御山谷を過ぎると長い旅もあとわずか。 ロッジくろよんから先は道も舗装されて下界の匂いを感じる。 かんぱ谷橋を渡ってケーブル黒部湖駅に入るとそこは観光客で溢れてた。 長い長い縦走のフィナーレ、感動しかけた心はあまりの人の多さにかき消されてしまった。 遠くに赤牛岳を眺めながら黒部ダムを渡りきるとあとはトロリーバスで扇沢へ。 1週間ぶりに戻った下界は暑かった。


 山行を終えて  人生初の6泊7日という長期に渡る縦走を計画したのは会社の9連休が確定したためでした。 通常この時期は5連休があるのですが移動日を考えると薬師岳や雲ノ平に行くにはちときつい。 しかし9連休となれば話は別。 興味はあったが行く事が無いと思っていた高天ヶ原山荘まで足を延ばせる。 でも金は無いので全てテント泊が条件となるため5日目に雲ノ平と温泉の往復のみ、 というなんとも贅沢なプランが出来あがりました。
 山行を終えて特に強く印象に残っているのは鷲羽岳山頂、雲ノ平の景色の素晴らしさと高天ヶ原温泉の気持ち良さ。 それに読売新道〜黒部ダムまでのうんざりするほどの道の長さ。 これだけ長期の縦走をすると前半の印象ってどうしても薄くなってしまう。 山頂もガスってる事が多かったしね。 前半で印象に残ってるのは越中沢岳の大展望と五色ヶ原の超☆満天の星空。 薬師岳とか黒部五郎岳はガスり気味だった事もあってちょっと印象うすいかな〜って感じ。
 これら北アルプス西側の山々に行く機会はあまり無いと思うが雲ノ平は是非また行きたい。 ノンピーク登山で雲ノ平のみっていうのもいいかななんても思ってたりもする。 あと数十年後、また雲ノ平に行った時に同じように感動できればいいな〜と思います。
 読み手の事を全く考えずに書きたい事を書いてたらこんなに長くなってしまった。 飽きもせずに読んでくれた皆様、ありがとうございました。




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