My Favorite Mountains No.11

光岳〜聖岳 山域;南アルプス 難易度;☆☆
山行日;2002.8.14()〜17()
ルート
第1日目;易老渡-易老岳-光岳-光小屋
第2日目;光小屋-イザルヶ岳-易老岳-仁田岳-茶臼岳-茶臼小屋
第3日目;茶臼小屋-茶臼岳-上河内岳-聖平小屋
第4日目;聖平小屋-聖岳-聖平小屋-西沢渡-便ガ島-易老渡
写真集

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ガイド

感想
 第1日目
 眠い目を擦って悪路を運転して易老渡着。 10数台分の駐車場が有り、そこに車を停めて準備して出発。天気はほぼ快晴。
 吊橋を渡るとひたすら樹林帯の登り。展望もほとんど利かない中を無心でひたすら登り続ける。 約4時間半登ってようやく易老岳。しかし既に青空は無く、せっかく稜線に出たのに視界は利かない。
 大休止して今日の目的地、光岳(てかりだけ)を目指す。一旦下って登り返すとお花畑が広がる。 ここの主役はトリカブト(ホソバトリカブトという種類らしい)。鮮やかな紫色が眩しい。 他にはイワオトギリ、ハクサンフウロetc.が咲いていたが他の地域で見るよりもハクサンフウロのピンク色が濃い。 高山植物は同種でも北アよりも南アの方が色が鮮やかだという話しは聞いた事があるし、実際そう感じる事も多いけど この光岳近辺の花々はそれを一層強く感じさせる。
 写真を撮りながら登っているといつのまにか登りも終わり、イザルヶ岳への分岐。 ガスっていたのでイザルヶ岳はとりあえず無視して光岳手前の光小屋へ向かい、 重いザックから開放されてビールを飲んで一息着く。
 テントを設営した後ここから数分の光岳へ向かう。頂上からは光岳から続く加加森山や双耳峰の池口岳、 南ア深南部の大無間山(だいむげんざん)などの展望が得られた。 また、眼下には光岳の名前の由来となった光石(てかりいし)も見える。
 展望を堪能したら今度は少し下って光石へ。頂上は数人の登山者がいたがここは2〜3人いるだけ。 しばらくぼ〜っとしたり他の単独行者と話したりしたあとはテン場に戻りまったり過ごす。 今回はまったり登山という事で北鎌目指してた頃には考えられないゆったりプランなので本も多めに持ってきたし、 暇はしない。
 期待してた第1日目の落日はガスが取れずに×。しかし日がすっかり沈んで暗くなった頃、ガスが取れて見事な星空。 そして昼間は見えなかった聖岳をはじめとする南ア南部の巨峰群や富士山が浮かび上がり幻想的な眺め。 山にいる喜びを感じつつ第1日目を終えるのでありました。

 第2日目
 朝目が覚めるとご来光が絶望的な濃いガスの中。よって2度寝。 目が覚めるとテントは自分のともう1張りしかなかった。 テントの中で縦走の定番、チキンラーメンを啜って出発。
 昨日スルーしたイザルヶ岳へ寄って行く。天気が良ければここでご来光を見る予定だったのだが、濃いガスで展望無し。 光岳頂上とは違い砂礫の山頂なので天気さえ良ければこちらの方が展望は良さそう。
 易老岳までは昨日来た道を退き返す。そこからはゆるいアップダウンを何度か繰り返しているうちに雨が強くなり、 カッパを着用。最後にややきつい登りがあって希望峰。展望が無いと知りつつもここにザックをデポして仁田岳を往復。 仁田岳山頂も遮る物が無く、天気さえ良ければ展望を楽しめそうな雰囲気でした。
 希望峰〜茶臼岳はアップダウンも少なく、展望を遮るものもない名展望ルート、だと思うんだけど…相変わらず雨やまず。 茶臼岳を通り過ぎると分岐が有り、小屋へ向かう。テン場周辺はミヤマシシウドが大輪の花?をつけていた。  結局この日は終日雨が止まず、カメラを一度も出すことなく終了。

 第3日目
 朝、ケータイ目覚ましに起こされて外を見ると満天の星空。そして堂々たる富士。 急いで定番チキンラーメン食って準備して写真を撮って出発。
 稜線に着くと空がいい感じに赤く染まり始めている。しかし肝心の東北東の方向にのみ怪しい雲がかかっている。 ザックを分岐にデポしてカメラ・三脚などだけ持って茶臼岳へ登る。  頂上へは2番乗り、という事で撮影に絶好の場所を確保してご来光に臨む。 雲がだんだん赤く染まり、横には富士山が聳え、素晴らしい山の朝を迎える。 しかし、太陽はやはり怪しい雲に遮られ肝心のご来光は不発。 失意のためか急激な腹痛に襲われ、茶臼山頂の岩陰で久々に山と同化してみる。
 太陽がようやく雲の上から顔を出すと稜線にも光が差し始め、撮影意欲も高まる。 今回、はじめてPLフィルターを使ってみたんだけど、かけ加減が難しいと感じました。 作者のデジカメはレンズ一体型ながら一応一眼レフなのでファインダーでフィルターのかけ具合は分かるんだけど、 ファインダーで覗いたり、モニターで見るのとPCの液晶画面で見るのとではどうしても差が有り、そこがまだ掴めてない感じ。
 ひととおり撮影を終えたらまた重いザックを背負って上河内岳に向かう。左手には聖岳(ひじりだけ)が見事。 頑張って登りきった上河内岳は素晴らしい展望の山でした。今日は超のんびり行程なので山頂でロールマット敷いて景色見ながらまったり。 東の富士山はまもなくガスの中に消えたが北の聖岳、赤石岳の眺めは見飽きる事が無い。 前日の雨のせいか午前8時頃から湧き出してきたガスに赤石岳、続いて聖岳が覆われると楽しみもなくなり聖平小屋へ向かう。 途中にはタカネマツムシソウやミネウスユキソウが綺麗な花を咲かせている。 樹林帯に入り、ヒルと久々の御対面で一瞬ビビったもののまもなく聖平小屋着。
ここまで来た事で作者が数年掛けて歩き続けてきた南アルプスの踏破線が 戸台〜鋸岳〜甲斐駒ケ岳〜仙丈岳〜アサヨ峰〜鳳凰三山〜北岳〜間ノ岳〜塩見岳〜小河内岳〜荒川岳〜悪沢岳〜赤石岳〜 大沢岳〜兎岳〜聖岳〜上河内岳〜光岳まで繋げる事が出来ました。
 さて、この時点で時間的には充分聖岳を往復するだけの余裕はあったんだけど既にガスに覆われた山頂には興味ないため、 午前中にこの日の行程を終えてテントを設営。 山とは言え日が差すとテントの中はサウナ状態。木陰に避難して読書モード。 本読んだり昼寝したりまったり過ごして第3日目終了。残念ながらこの日も落日は見れませんでした。 また、ラジオの天気予報によると台風が近づいているらしい。 いちおー5日分の食糧は持ってきてるけど、明日で下山する事に決定。

 第4日目
 ご来光のチャンスも今日が最後、だったんだけど起きて外を見るまでもなく小雨が降っている事が分かり2度寝。 その後起きて外見て3度寝、4度寝を経てようやく起床。  テントから見る朝の景色はガスが取れかかり、ほんのりピンク色掛かって幻想的でした。 写真的には三脚使わずにあわてて撮ったのでブレが目立ちイマイチですが、雰囲気だけでも伝わればいいかな?
 定番チキンラーメンを食った後は水やカッパなど必要なものだけ持って聖岳往復。 タカネマツムシソウやマルバダケブキ、トリカブトが朝日を受けて輝くのを横目に1時間ほど登ると小聖岳。 ここまで来るとガスを抜けて見事な青空。しかし谷からはガスが沸き始めているためのんびりもしていられない。 ここから聖岳は急登が続くが縦走中の重いザックを背負っている時と比べると格段に楽チン。 コースタイム3時間のところを頑張って2時間で登ったが間一髪間に合わず聖岳頂上はガスの中。 30分前には最高の景色だったというから、4度寝までした自分を恨むしかない。 ガスの間からは中央アルプスや富士山も時折見えたが、ここからの主役、赤石岳は遂にその姿を現すことは無かった。
 前回、聖岳を訪れた時は雨のため奥聖岳までは行かなかったので今回はそこまで足を伸ばして見る。 聖岳(前聖岳)〜奥聖岳の間はチングルマがメインのお花畑が展開。既に綿毛となったチングルマの群落が見事でした。
 聖岳を後にしてとっととテン場まで下って昼食を摂ったら下山。南アルプスの稜線に別れを告げて樹林帯の道をひたすら下る。 ここも前回下った事がある道だが、やたら長いイメージがあったので心して下っていたら思っていたよりも早く下れた。
 西沢渡で名物?の荷物用ケーブルに乗って沢を渡って便ガ島までは林道歩き。 便ガ島から易老渡までさらに林道を歩いて3泊4日テント泊まったり単独行は終了。 当初の計画では4日目は聖岳往復のみ、5日目下山だったのですが台風が近づいてきたため3泊4日に変更。 しかしまったり登山は天気が悪い日には行程短縮、回復した日には送れた分を取り戻したりのんびり山頂で展望を楽しんだり することが出来、こういう登山もいいものだと実感しました。

 最後は南信濃村の温泉施設、「かぐらの湯」で汗を流して終了。こちら方面に下山の方にはおすすめできる温泉です。
 




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