ガイド & 感想 |
今年は山欲が旺盛なため、いつもはあまり興味の無い8月の盛夏季の山へ3度目の出動。
山欲が旺盛な原因はデジカメを購入した事がいちばん大きいのだけれど、
7月の山行と合わせてこれまで3回の山行で1度もご来光に恵まれていない、っちゅうのもある。
そこで今回はご来光の期待できる山、という事と後述するもうひとつの目的があって
北アルプスの五竜岳〜唐松岳という作者が最もお世話になっている2つのスキー場(白馬五竜スキー場と八方尾根スキー場)を
繋ぐコースに決定。
第1日目 午前7時、白馬五竜スキー場に到着。準備を済ませてゴンドラに乗ってアルプス平へ。
ちなみにゴンドラ乗る前に測定したザックの重さは20.9kg。1泊2日単独行にしては重いほうか。
ゴンドラアルプス平駅から登行開始。
もう1本リフトもあったんだけど、普段滑り慣れているゲレンデを敢えて自分の足で歩きたかったためパス。
地蔵の頭からは今日向かう五竜岳をはじめ、白馬〜唐松岳の山並もはっきり見える。天気は素晴らしい!!
遠見尾根の登りは眺めがいい。小遠見山からは一本槍の鹿島槍ヶ岳なども見れて興味深い。
難点は作者の、というかほとんどのヤマノボラーが嫌う木段が多い事。20kg背負って歩幅を束縛されるのは辛い。
それでも小遠見山〜中遠見山〜大遠見山〜西遠見山はちょっと標高は低いけど稜線歩きっぽくて気持ちが良い。
西遠見山手前の池のほとりで昼食を摂って、しばしぼ〜っとしてみる。
西遠見山から先は斜度もきつくなって本日一番の踏ん張り所。
とは言え、このまえの南ア・光岳の長い長い登りに比べるとはるかに楽ちん。
ちょっとした岩場を過ぎると白岳はもう目の前。
白岳に立つとこれまで見えなかった剱岳が美しい。
そこから5分ほど下った五竜山荘でビール飲んで、テント張ってお昼寝タイム。
1時間ほど寝たところで山には相応しくない爆音で目が覚める。外に出て空を見るとジェット機が空高く飛んでるだけ。
なんであんなにうるさかったんだろう?って思ってたら2機目が来た。
ど〜見ても軍用機。しかも山にへばりつくかのようにすれすれのところを飛んでくる。
戦闘機ファンにはたまらない光景なんだろな〜と思いつつ珍しい山岳航空ショーを楽しめました。
1泊山行ならではの「冷凍チャーハン2人前」の豪華夕食を平らげたら、落日撮影のため五竜岳山頂に向かう。
持ち物はカメラ、三脚、水、ヘッドランプ、防寒着。
夕食を終えた頃から信州側から怪しいガスが上がってきたんだけど、山頂に着いてみるともろガスの中。
30分ほどたった一人の山頂で粘ってみるも晴れる気配も無いため下山。
徐々に暗くなって行く岩稜を慎重に下って、テントに戻って日本酒飲んで就寝。
第2日目 いつものように夜半に目が覚めて空を見ると西半分は見事な星空。
ご来光に重要な東の空もガスが取れつつあり、期待を胸に再び眠りの世界へ。
午前4時前、起床。空は快晴!!!稜線からは松本や上田方面、そしてささやかながらも白馬村の夜景が見える。
急いで準備して五竜岳の登りにとりかかる。気持ちがはやり、高速ペースで中高年登山者を追い抜いて山頂に到着。
あまり他人の邪魔にならず、欲しいアングルが撮れる場所を確保して三脚を立てる。
雲海も素晴らしく、遮るものは何も無い360°の大展望。特に、ここから見る鹿島槍ヶ岳の双耳峰の美しさは超☆一級品。
これまで多くの山を登って景色を楽しんできたけど、ここ五竜岳山頂は『稜線からの景色BEST3』に間違いなく入る
(ちなみに他の2つは北ア槍ヶ岳北鎌尾根独標付近と南ア塩見岳付近。たまに気まぐれで入れ替わったりするけど)。
ご来光がいよいよ近づいたその時、またもやご来光を阻む薄雲が東北東のいちばん肝心な方向にある事に気づく。
その薄雲がまず黄金色に輝き、次の瞬間、ご来光。残念ながら薄雲のせいで太陽の形をはっきり捉える事はできなかったけど、
鹿島槍、剱、白馬など周囲の高峰、そして雲海が次々と赤く染まって行く姿は見事でした。
露出やフレーミングを変えてデジカメでアホほど撮りまくって、その成果が↑の写真。
鹿島槍の写真はブレが大きいのが多いのと、鹿島槍をメインに取るならもっと稜線の北側に移動すれば良かった、という後悔が
残りましたが「雲海とご来光」の写真はけっこ〜自己満足。ただし、ゴーストが無ければ…(><)
赤色が空と山を支配する時間が終わって、下りる前にもう一度山頂からの景色を見直すと北西の方向、日本海の向こうに何やら見える。
その正体はなんと能登半島!!後立山連峰から稀に見える事は聞いていたけど、作者にとってははじめての景色。
日本海も朝の光を受けて昼間に見える時よりもきらきらしてる。
日本海&能登半島の眺めを楽しんだ後はテントに戻って朝食。メニューは「寿がき屋焼きうどん2人前」。
山で腹いっぱい食える事は幸せな事だ。
五竜岳〜唐松岳の道は大黒岳くらいまでは快適な稜線万歩。
西に剱、北西に日本海&能登半島、振り返れば男性的な五竜岳、そして行く手には唐松岳と牛首岳が双耳峰っぽい姿を見せている。
大黒岳を過ぎると岩稜帯。晴れた日に通過すれば鎖もついてるし、特に問題無いとこだけど、
今年、中高年登山者が数名遭難してるちょっとした難所。
下りで通過した時は嫌らしさを感じたこの岩場も登りではむしろ快適。
あっという間に高度を稼いで唐松岳頂上山荘着。
缶ビールを飲んで一休みしたら、カメラ・三脚・昼食・水だけ持って唐松岳山頂へ。
ここも360°の大展望。山頂の片隅で剱を眺めながらぼ〜っとしてると聞き覚えのある声がする。
振り返ると隆二さん、ゲンさん、やまぽんさん、くろべぇさんの御一行。
今山行の第2の目的、日帰りで唐松岳登山をする彼らと山頂で合流する、は見事達成できたのでした。
山頂で3時間ほど過ごした後下山。しかしこの下山は某公道最速伝説漫画にちなんで「唐松で『D』」っちゅう
名前をつけられたほどの高速ダウンヒル。
でも、久々に学生の時にやった「工学ダッシュ」を彷彿とさせる山岳高速ダウンヒルは純粋に楽しかったです。
リーゼングラートもアルプス平同様歩きたい気分だったので歩いて下って、黒菱はリフトに乗って黒菱の駐車場着。
そこからくろべぇさんの車で五竜まで車を回収しに乗せてもらって、みんなでいつもの対岳館の温泉に入って、
もはや定番になった感のある山太@エコーランドで打ち上げして終了。今度はみんなでテント泊したいな〜。
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