My Favorite Mountains No.16

笠ヶ岳 山域;北アルプス 難易度;☆☆
山行日;2002.10.12()〜13()
ルート
第1日目;新穂高温泉-笠新道-笠ヶ岳
第2日目;笠ヶ岳-弓折岳-鏡平-新穂高温泉
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ガイド

感想
 年に1回、大学時代の友人と続けてる山行も今回でたぶん7回目。 メンバーはC.L.作者、S.L.小林、それに河原、よこちんのいつものメンバーに加え小林の会社の後輩、青木君の5名。 行き先は作者の独断で北アルプス笠ヶ岳。 今まで北アルプスの有名所はほとんど歩いて来たつもりだけど、この笠ヶ岳は計画立てても台風が来たりして 縁が無く、百名山クラスでは取り残していた数少ない山のひとつ。 鏡平の紅葉も見てみたいし、この時期に笠ヶ岳に登る事に決定したのでした。

 第1日目 松本の合同庁舎でよこちんと待ち合わせして新穂高温泉に向かう。 まだ夜が明けたばかりだというのにやけに車が多いR158を西進して安房トンネルを抜けて8時前に新穂高温泉到着。 そこで小林らと合流して準備を整えて9時頃出発。
 新穂高温泉から右俣谷方面に向かって槍や穂高を目指した事は何度かあるけど、左俣谷方面に向かって歩くのははじめて。 1時間ほど林道をだらだら歩いて、標識に従って笠新道へ入る。 この笠新道への入口、1994年発行の作者の地図とは異なっていたが、下山してから確認すると'95〜96年に付け変えられたとの事。 作者の読図が間違ってたわけじゃ無くてほっとした。
 さて、この笠新道、燕岳合戦尾根や烏帽子岳ブナ立て尾根と並んでアルプス3大馬鹿登りに数えられるだけあり (合戦尾根・ブナ立て尾根・剱岳早月尾根という説もあるけど)、いきなり急登。 6人用テントの重量が恨めしい。 息を切らしながらグングン標高を稼いで行くとだんだん紅葉が鮮やかになってくる。 逆光で透ける紅葉を見つけては撮影タイム。しかし休憩を撮影タイムにすると余計疲れてしまうのが辛いところ。 きつい登りは相変わらず続くがカエデの紅葉や槍穂の展望を楽しみながら登る。 尾根を乗っ越して杓子平に出ると急登からは一旦開放される。
 一息ついて杓子平を横切って抜戸岳の南面から稜線を目指す、という自分の地図とはまたも異なり、 杓子平から抜戸岳頂上を目指してまた登る。 予定より100mほど余分に登らなければならず、精神的にも疲れが増す。 小休憩を繰り返してようやく抜戸岳。
 抜戸岳頂上に出ると今まで見えなかった黒部五郎岳や薬師岳など北アルプス西部の展望が広がる。 日陰には先日の初冠雪時の雪が残っており、今年最初のゆきだるまを作ってみる。
 抜戸岳から先は小さなアップダウンを数回繰り返し、最後の登りを終える手前にテント場があり、ようやくザックを下ろす。 テントを立てたら笠ヶ岳山荘裏の小笠に登って夕陽撮影。槍〜穂高連峰が赤く染まり、実に素晴らしい。 槍穂の赤色が消えたら今度はカメラを西に向けて落日を撮る。 白山の北に沈む夕陽はここ最近で作者が見た落日の中でも最も美しかったが、 白山と落日のびみょ〜な距離に構図を悩んでる間に落日ショーは終了。
 日が沈んだら笠ヶ岳山荘でテント場の手続きとビールを買ってテントまでダッシュ。 山にしては珍しく風も無く、天気も良いので防寒着を来て外で夕食。 今晩のメニューはきのこ鍋。寒い時、そして仲間が集まって飲みながら食べるにはやはり鍋が一番。 満天の星を眺めながら日本酒と鍋を楽しんだ後は急に冷えてきたのでテントに入って就寝。

 第2日目 いつものように夜中目を覚ましてテントの外に出ると、 夕食時に見えていた月が笠ヶ岳に隠れ、星がより多く見えていた。 星空撮影を試みていちお〜オリオン座は撮れたけど、シャッター速度MAX15秒の自分のカメラだとこれが限界か?
 朝、5時半に目を覚ましてテントから出ると槍穂がいい感じに浮かび上がって見える。 山小屋の方の話しだとご来光は午前6時頃、北穂から上がるという事だったのでテントの前でじっと待つ。 大キレットが明るくなり始め、抜戸岳〜笠ヶ岳の稜線の一部に日が当たり、笠ヶ岳山頂にも日が当たり、 日が当たる部分が徐々に下り始め、午前6時ちょい過ぎくらいにようやくご来光。 話通りに、北穂高岳のまさに頂上からのご来光は、雲海から上がってくるいつものご来光とはまた違った趣があった。
 ご来光を拝んだら、早速笠ヶ岳頂上へ向かう。笠ヶ岳山荘から上はこの前の新雪がまだところどころに残っており、 冬が近い事を実感できた。
 笠ヶ岳頂上。360°の大展望は東の槍〜穂高連峰を主役に、南へ目を移すと霞沢岳、焼岳、遠くに富士山、南アルプス、中央アルプス、 乗鞍岳、御嶽山、西に遠く白山、北に黒部五郎岳、薬師岳、剱岳、立山、水晶岳、鷲羽岳、野口五郎岳など信州の麓からは見えない 北アルプスど真ん中〜西側の峰々。北東にはこのメンバーで第1回の山行をした妙高山らしき姿も見える。この大展望を楽しみ、 記念撮影をしたところで空腹感が増し、テン場まで下る。
 昨夜の鍋の残り汁で作った雑炊を食べながらテント干しを同時進行して、テントが乾いた所で撤収して出発。
 抜戸岳までは昨日歩いたのと同じ道。しかし笠新道を登ってへろへろで歩いた昨日とは違い、快適に歩を進める。 秩父平への下りに入ると笠ヶ岳はもう見えない。下りきったら大ノマ岳へ登り返し。 斜度は緩く、だらだら登ると大ノマ岳。 笠ヶ岳からは右曲がり気味だった槍もだんだん真っ直ぐになってきて、カッコ良く見えるようになってくる。
 大ノマ岳からは大ノマ乗越まで下り、弓折岳まで再び登り返し。大ノマ岳の登りとは異なり、こちらは急登。 疲労が蓄積された身体にはけっこう堪える。 今回の山行で最後の登りを終えると弓折岳頂上。広い頂上を過ぎてすぐに鏡平への分岐があり、下りに入る。 槍ヶ岳を正面に見ながら下っていくとまもなく鏡平。 山荘の前にザックを置いて昼食、の前に山荘よりほんの少し先にある池の前で撮影タイム。 よく見る鏡平からの写真と同じ景色。池に槍ヶ岳が映り、まさに「絵になる景色」。 ただ、この辺の紅葉は既に終わっちゃってたのが少し残念。
 ここからはひたすら下るのみ。シシウドガ原〜秩父沢は紅葉のピーク。 紅葉と槍・穂高の展望が素晴らしい。シシウドガ原周辺で道が「急な道」と「楽な道」に分岐している所があったが、 すぐ合流。ほとんど意味無いじゃん。うちらも二手に分かれて下ってみたが、「急な道」を選択した方が速かった。
 秩父沢を過ぎると、日が山陰に隠れて撮影欲もなくなり、ひたすら下る。しばらく下ると林道と合流。 さらに少し行くとわさび平小屋。ここで燃料(=ビール)を補給してなおも林道を下ると笠新道への分岐。 ここから先は昨日の朝通ったのと同じ道。 林道歩きは基本的に好きじゃないので、登りの時よりも長く感じたが、しゃべりながらだらだら下るとようやく新穂高温泉着。 下山届出して駐車場まで下ったところで全行程終了。

 2日間の疲れを癒すべく向かったのはお気に入りの平湯温泉「ひらゆの森」。 これであとは打ち上げして終了、のはずだったんだけど、その前に予想だにしない障害が待っていた。 作者がこれまでの人生のなかでも最大級の「大渋滞」。安房トンネルの料金所前から車が動かない。 ようやくトンネルに入って、そこから出るまで約2時間。原因は上高地のオーバーユースだと思われるが参った(><)。 結局、平湯温泉〜松本ICまで約4時間半かかって、南松本で打ち上げして終了。丸2日間、ほんと〜にお疲れ様でした。




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