白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳 | 山域;北アルプス | 難易度;☆☆ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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山行日;2008.07.23(水)〜25(金) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ルート |
第1日目;蓮華温泉−白馬大池−小蓮華山−三国境−白馬岳−白馬岳頂上宿舎 第2日目;白馬岳頂上宿舎−白馬岳−三国境−雪倉岳−朝日岳−朝日小屋 第3日目;朝日小屋−朝日岳−五輪尾根−蓮華温泉 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
ガイド & 感想 |
毎年恒例、うちの会社の7月末5連休。今年は嫁が休みを取れなかったので独りで過ごす事に。 独りで過ごす梅雨明け直後の休日といったら山に行くしかないでしょう!! っつー事で何度か計画しながら実現していなかった蓮華温泉を基点として白馬〜雪倉〜朝日の北ア最北部の縦走へ行ってきました。 1日目の始まりは運転から。眠い目をこすって朝3時前に出発して6時頃蓮華温泉着。 身支度を整えて早速登り始めるが、蓮華温泉〜白馬大池は何度か歩いたことのある道。 久しぶりにザックの重さ(約20kg)を感じながら明日登頂予定の雪倉岳・朝日岳を眺めながら緩やかな道を登って行く。
さして苦労もなく白馬大池着。作者はここに来るのはいつも秋なので盛夏期に来るのは初めて。 で、夏の白馬大池は…ハクサンコザクラをはじめとする高山植物が咲き乱れていて秋の紅葉とはまた違う趣があった。 そしてここまで上がってくるともう下界の暑さもないし手頃な山を楽しむにはいいとこだな〜とつくづく感じた。
昼食休憩した後、小蓮華山への道を辿る。 ここから先はこれまで一度も歩いたことの無い道。 最近リピート登山が多いので初めての道、初めての山にちょっとドキドキ。 山上湖の趣き溢れる白馬大池を見下ろしながらほぼ稜線通しの登山道を行く。
新潟県最高峰でもある小蓮華山(2769m)は昨年だか一昨年だかから山頂部の崩落が始まり立ち入り禁止の看板が。 ちなみに小蓮華山の手前はけっこうニセピークが多いのでガスってる時などは注意。 小蓮華山〜三国境は緩やかな下り。 天気が良ければ左に白馬、右に雪倉を眺めながらのさぞ快適な稜線漫歩なんだろうな〜と思うが残念ながら それらの山々はガスの中。 三国境。長野県と新潟県と富山県の県境。 ここから少し雪倉岳側に進むと高山植物の女王、コマクサの大群落!!
三国境より先は傾斜がいきなりきつくなるも1時間足らずで白馬岳(2932m)山頂。 ガスで全く景色が見えない上に、この山には数回来た事があるので感動は全く無し。 なのでとっととテン場のある白馬岳頂上宿舎(旧村営頂上宿舎)まで下って本日のご褒美、生ビールで独り乾杯!! ちなみに本日の行動時間は休憩時間込みで約7時間半でした。 酔っ払って良い気分になってテントの中で昼寝してると頂上宿舎の方がテン場まで揚げ物の訪問販売に来たので メンチカツを買って、つまみがあるのに酒が無いのも寂しいので缶ビールを買いに行って独りで飲んでると 突然バケツをひっくり返したような大雨。 早めにテン場についてて良かった〜、と思うのも束の間、雨は激しくなる一方でテントの床から浸水してきた!! これまでも何度か大雨にはあってるけどこんな事ははじめて。 なんでだ?と思って触ってみるとどうやらテントを張った場所が水溜りになっているらしい(-_-;) しばらくすると雨が止んだので早速テント移動。何箇所か水溜りが出来てたけど、自分とこが一番ひどかった。 浸水も治まって夕食食べて暗くなったらお休みなさい。 朝、ご来光を期待して起きてテントの外を見ると…一面のガス(-_-;) というわけで単独行お決まりの?二度寝。再びおやすみなさい。 1時間後に再び起きて外を見るもやっぱりガス。とりあえず朝食のインスタント沖縄そばを食って、 濡れたテントを撤収して出発。 白馬岳は今日もガスの中。自分の中では白馬岳で何度かきれいなご来光を拝んだことがあって、 「ご来光の山」としての印象が強かったんだけど、今回は残念でした。 三国境までは昨日来た道を下って、そこから先は雪倉方面へと進んでいく。 先ほどのガスからも脱出して少しばかり景色も見え、また、コマクサをはじめとする高山植物が咲き乱れて目を楽しませてくれる。
雪倉岳手前の鉢ヶ岳は頂上を通らず中腹をトラバースするが、事前情報どおり残雪が多く何箇所か残雪を横切る。 乗鞍大雪渓で毎週雪を歩いているとは言え、重い荷物を背負ってスプーンカットに合わせてトラバースするのは少々緊張した。 また、学生の時の経験から普段雪を歩き慣れている人には何てこと無い残雪でも 雪を見慣れない人にとっては非常に滑落しやすかったりもするので雪に慣れていない方で早い時期にこのエリアに訪れる方は 是非軽アイゼンの傾向をオススメします。 作者も事前情報から一応今回は軽アイゼンを持っていきました。結果的には使いませんでしたが…
意外と立派な雪倉岳避難小屋を越えて再び登り。 かろうじて雪倉岳山頂は見えてるけど、いつまたガスに覆われるか分からない状況。 こんな天気の悪い日の楽しみは高山植物鑑賞ともう一つ、雷鳥探し。 どっかいないかな〜と思ってあたりを見回しながら登ってると…
久しぶりに親子連れの雷鳥と出会いました♪ やや急だけどそれほど長くない道を登り終えるとそこは雪倉岳(2611m)。 遠くに白馬大池も見えますが、写真じゃよくわからないので載せるのは止めときます。 しばらく休憩するもガスは濃くなる一方なのでさっさと次の目的地を目指して出発。 1時間ほど下り続けて赤男山の基部について一休み。 燕岩とかいう岩壁を見上げながら更に進んでいくとやがて木道が出てきて小桜ヶ原とかいうあたりに到着。 この辺は文字通りハクサンコザクラの群生地となっており、季節外れ感のある水芭蕉なんかも咲いていて別天地のような趣。
しばらく木道を行くとようやく水平道と朝日岳頂上への分岐。 雪倉岳〜ここまでが思った以上に長くけっこう疲れてしまった。 水平道は分岐に到着した時は通行止めだったもののやがて朝日小屋の方たちが水平道の方からやってきて 「点検が終わりましたので今から通れます。」との事。 分岐でも雪の薄いとこを切ったり、通行止めのロープを外したりとあまり見ることの無い登山道整備を見ることが出来た。
ここで昼食を食べて今日の最後の一仕事、朝日岳への登りに取り掛かる。 ここは疲れた身体にはきつかった。 今回の山行の中でもっとも急勾配の登り。樹林帯の中をほとんど直登。 何度か立ち休憩を入れながらも登って行くとやがて斜度が落ちて木道が出てきてしばらくすると今回の山行で最後のピーク、 朝日岳(2418m)着。 しかし、はるばるやって来た頂上はやっぱり一面のガスに覆われてな〜んにも景色が見えませんでした(;_;)
この展望指示盤を見る限り、天気の良い日はさぞかし素晴らしい眺望が得られるだろうな〜と思いつつ 心の眼で景色を想像してみる。 まぁ、あまり希望は持てないけど明日の朝もう一度来るのでその時に晴れていることを願って、朝日小屋方面に下山。 何度か小雪渓を横切ってやがて朝日小屋に到着。 この日も行動時間は約7時間半だけど、昨日以上に疲れた。 でも疲れた分ビールが美味いのでまぁいいか。 で、昨日と同じようにお昼寝して夕食食って暗くなったらおやすみなさい。 ほんとはこの辺から見える富山湾へ沈む夕陽を凄く楽しみにしてたんだけど… ガスが濃すぎて太陽がどこにあるか全く分かりませんでした。 第3日目。朝起きてご来光を期してテントから出るもやたら濃い霧に覆われて10数メートル先のトイレすら見えない状態で 失意の二度寝。 起きて縦走の定番、チキンラーメンをすすってうっすら周りが明るくなってきたのを見計らってテントを撤収して出発。 今回はご来光にも夕陽にも恵まれなかったな〜(+_+) ガスの中を登って再び朝日岳山頂に着くもやっぱり一面のガス。 10分ほど休憩がてら一瞬でも晴れないかと待ってみるも下からどんどんガスが上がってくるのを見たところで 諦めて下山開始。はぁ。 風の強い稜線沿いを吹上のコルまで下って、栂海新道との分岐を左に見て蓮華温泉方面へと下る。 この下りの道も残雪が非常に多く、上部は本来の登山道がほとんど雪に覆われているためペンキマークに従って 残雪や草付きの斜面を横切ったりしてけっこう気が疲れる。 やがてガスの下に出てある程度視界は得られ、北アルプスの山々達はガスの中ながら 深い森の景色に癒されながら歩くようになる。 しばらく登るでも下るでもない樹林帯の中の水平移動があって再び下り始めると青ザクという開けたところに出る。 その先さらに下るとやがて木道が出てきて休憩所みたいなところがあって大休止。
ここは水芭蕉やハクサンコザクラ、ワタスゲなどが咲き乱れる気持ちの良い湿原。 近くに湧き水も出てたけど、この水がまた冷たくてめちゃ美味!! 作者が山で飲んだ水の中でもかなり美味い方だと思う。 そこから少し行ったところに花園三角点(休憩所からは見えない)。 更に下ると木道が木の階段になってさらに普通の登山道になってひたすら下る。 下って大きな沢沿いに出たら少し登り返して仮設の橋。
橋っつうかただの工事現場の足場にしか見えないんだけど、これが無かったら余分な苦労しなきゃならないのでありがたい。 ちなみに今年は7月海の日3連休の直前に掛かったそうだけど、不安な方は行く前に糸魚川市に問い合わせてみて下さい。 またまたしばらく下っていくと瀬戸川に出て、ここは立派な橋が掛かってる。 今回の山行で最も標高が低いのはこの辺(約1260m)で、ここから蓮華温泉までは約200mの登り返し。 下りに慣れた身体にはきつい急登もそれほど長くは続かずやがて木道が現れて兵馬の平と呼ばれる一帯に出る。 あとは緩やかに登ってくだけなんだけど、なめて掛かるとこのだらだらした登りが意外と長い。 鉱山道への分岐を過ぎてキャンプ場を過ぎてようやく蓮華温泉到着。 この日の行動時間は約6時間半。 南アルプスの長い樹林帯の下りとは違っていろんな景色や花が見れたのでそれほど長い下りとは感じなかったが、 登るとなると大変そう。 まぁ、今回山頂からの景色を見れなかったので機会があれば再訪したいとも思うけど…何十年後のことやら??? 車に戻って登山靴を脱いだ後はもちろん蓮華温泉の露天風呂で疲れを癒す。 ここの露天風呂は数箇所あるけど、なかでも「仙気の湯」が作者のお気に入り。 眺めと言い泉質と言い湯加減と言い最高です\(^o^)/ その後内湯にも入って完全に汚れを洗い流してから撤収。 山頂からの眺望やご来光・夕陽と言った楽しみにしていたものはほとんど得られなかったものの 予想以上に豊富な高山植物と変化に富んだ景色に満足した山行となったのでした。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他 |
・早い時期にこの山域に入る方は朝日小屋のHP等で残雪の状況や仮設橋の設置の有無を確認してから行きましょう。 |