My Favorite Mountains No.33

槍ヶ岳 山域;北アルプス 難易度;☆☆
山行日;2009.09.05()〜06()
ルート
第1日目;上高地−横尾−槍沢−殺生ヒュッテ
第2日目;殺生ヒュッテ−東鎌尾根−槍ヶ岳−殺生ヒュッテ−槍沢−横尾−上高地
高低図
ガイド

感想
 
 毎年恒例、大学の友人との山行。
 昨年は雨で五竜〜唐松テント泊山行が蓼科山日帰り山行になってしまったけど、今年は天気もよく予定通り決行。

 午前5時に沢渡の市営第2駐車場にて東京・愛知組と合流して団装分けしてタクシーにて上高地入り。
 沢渡〜上高地はバスだと往復2000円(片道だと1200円)。
 タクシーだと片道4000円だけど積極的なタクシーの運ちゃんが1人1000円で行けるように他の登山者を探し出してくれた おかげでうちら6人+他の登山者2人の計8人を2台に分けて1人当たり1000円で行けたのでした。
 ここら当たりのタクシーはだいたいどこも接客に積極的なので交渉してみる価値はあると思います。

 で、2年ぶりの上高地。


河童橋付近からの穂高連峰


 河童橋付近でおきまりの写真撮って、記念撮影したら午前6時20分頃出発。
 それにしても上高地バスターミナル付近、早朝からやたら大勢の登山者や観光客で賑わってたな〜。

 明神、徳沢とコースタイム約1時間置きにある小屋の付近で休憩をとって、予定より早めに2時間30分ほどで横尾着。

明神〜徳沢間より明神岳と前穂高岳
  

徳沢〜横尾間より前穂高岳


 ここで涸沢へ向かう登山客と別れて槍沢方面へ進むと一気に登山者の数も少なくなる。
 作者も何度か槍に登ってるけど、槍沢ルートから登るのは初めてだし、出来ればあまり登りには使いたくなかったルートだと思っていたので 人気のある槍ヶ岳といえどもこの閑散ぶりには少々納得。

 さて、横尾から40分ほど歩いたところで今回の山行で初めて槍ヶ岳が見える槍見河原に到着して槍を見ながら一休憩。


槍見河原よりはるか遠くに見える槍ヶ岳
  

望遠で拡大したらこんな感じ


 槍が見えるのは嬉しいが…はるか遠くでちと気が滅入る。
 まぁ、それでも歩き続けなければ目指す槍には近づかないのでズクを出して歩き始める。


一ノ股谷を渡る
  

槍沢ロッジ付近から見た槍


 一ノ股谷、二ノ股谷を渡るとこれまでずっと平坦だった道もようやく緩く登るようになる。
 一ノ股谷から約40分、槍沢ロッジまで来ると一度見えなくなっていた槍がまた見えるようになる。
 しかも槍沢ロッジのご好意で望遠鏡が置いてあり(もちろん無料)、槍の穂先の様子もよく分かる。

 槍沢ロッジ〜旧槍沢ロッジ跡のキャンプ地までは30分くらい。
 落石が多い箇所らしく、落石注意の看板があちこちにあって、新しそうな落石の跡もいっぱいあってちと緊張させられる。
 昔、このルートを下った時にはこんなところに落石地帯なんてあったかな〜?全く記憶に無いのですが…

 途中、「槍見」とペンキマークされたところがあるも、こんなところから槍が見えるのか?と疑問に思ったとおり 槍ヶ岳は全く見えない。ところが視線を右に移すと、槍ヶ岳ではないけど、たしかに「槍」がそこにあった。


「槍見」より


 登山道には珍しいユーモアたっぷりの標識に心を和ませながらも先を急いで槍沢キャンプ地にて昼飯休憩。
 日頃の運動不足が祟って疲れの見えるメンバーも出てくるが、このルートのきついところはまだまだこれから。
 っつーことでいつもは甘い言葉で騙しながら登るところを「地獄はこれから!!」と脅しながら?登る。


槍沢ルートを行く
  

雪渓横を登る


 大曲(水俣乗越への分岐)までは東鎌尾根を正面に、そこから先は傾斜を増して中岳、大喰岳を正面に見ながら登っていく。
 槍沢沿いはトリカブトやミヤマシシウドが咲き乱れ、目を楽しませてくれる。


咲き乱れるトリカブト
  

スターマインのようなミヤマシシウド


 天狗原の分岐まで来ると今日の目的地、殺生ヒュッテまであと2時間とだいぶ近づいてくるもこの当たりからは 槍も殺生ヒュッテも見えず、まだまだ遠い感じがする。
 しかし振り返れば赤沢山との標高差や距離から少しづつだけど確実に進んでいるのがよく分かる。

 疲れた身体に鞭打って、最後の水場を過ぎてグリーンバンドの上に出ると…


ようやく姿を見せた槍ヶ岳と殺生ヒュッテ
  

槍沢を見下ろして


 ようやく姿を現した槍は槍見河原や槍沢ロッジで見たのよりもずいぶん間近に迫って見えた。
 そして殺生ヒュッテもはじめて目の届く範囲に見えるも、見えてからが意外と遠く感じた。

 登山開始から休憩時間も含めて10時間弱、ようやく殺生ヒュッテについてまずはみんなでビールで乾杯!!
 そしてあらためて大きな槍に見惚れる。


午後の大槍
  

大槍と秋の空


 今までいろんな所から槍を見てきたけど、殺生からの槍がこんなにも素晴らしいとは。
 槍沢ルートは長くて疲れたけど、この景色を見れたので大満足!!

 しばらくビール飲みながらうだうだやってたら冷えてきたのでテント張って、恒例の鍋をつつきながら宴会に突入。
 今回持ってきた日本酒は全部で2升〜2升半。それに山小屋で1人1本ビール買ってるし…酒持って来過ぎでしょ?!
 ただでさえ標高3000m近いテン場では酔いが回るのが早いのに、1日歩き続けた疲れもあり、そもそも6人いるけど酒豪はK林1人だけ なので飲み切れるはずもなく…
 来年は持ってくる酒の量をコントロールしましょう(^_^;)

 で、いつものように作者が真っ先に眠りの世界へ誘われておやすみなさい。

 夜、目が覚めて外を見るもこの夜はほぼ満月。
 月は綺麗だったけど、星はあまり見えませんでした。




 朝は4時30分に起床。
 トイレを済ませたらヘッドランプ、防寒着、水、カメラ&三脚等最低限の荷物だけ持って殺生から東鎌尾根にダイレクトに登る。

 ご来光までまだまだ時間はあるはずなのに、東の空に雲が少なくやけに明るい。
 はやる気持ちを抑えきれずに朝から全開で登って東鎌尾根からご来光を待つ。


夜明け前


 写真的にはこの前空木岳に登った時のように多少雲があった方が面白いのだけど、 今日はすっごい久しぶりに完璧なご来光が見れそうでそれはそれで楽しみでもある。
 寒い中待ち続けて、そして…


9/6のご来光
  

ご来光と常念


 5時23分、ほぼ完璧なご来光!!
 正直、ここまで完璧だと逆にどう写真にとっていいか分からないが、これは贅沢な悩み。
 しばしご来光、そしてモルゲンロートに染まる槍を楽しむ。


朝日に染まる槍ヶ岳
  

朝の天上沢


 一通り楽しんだら、このまま東鎌尾根から槍ヶ岳山荘を目指す。
 それにしても、素晴らし過ぎる景色に同じような構図で同じような写真を撮りまくりでなかなか進まない(^_^;)。


10年前に登った北鎌尾根
  

東鎌尾根より槍ヶ岳
  

槍ヶ岳の根元で万歳!!
  

大槍を見上げる
  

朝日と雲海と常念
  

槍沢最上部を行く登山者の列


 槍ヶ岳山荘に着いたら一息ついて、いよいよ槍の頂上を目指して登り始める。
 基本的に一般ルートからは鎖、梯子がしっかりついているので技術的にはさほど難しくは無い。
 ただし、足を滑らせたらさようなら、なんて事も十分にあるので基本に忠実、三点支持で確実に登っていく。


途中でひょっこり見える小槍
  

頂上直下の最後の梯子


 そして、作者にとっては実に8年ぶり7度目の槍ヶ岳(3180m)!!

 いちおー自分の記録のために書いておくと…
  1度目・・・裏銀座ルートより登頂、槍沢から下山。
  2度目・・・表銀座ルートより登頂、槍沢から下山。
  3度目・・・東鎌尾根より登ったことは覚えてるけど…表銀座だったか常念〜大天井からだったか忘れた。下山は槍沢。
  4度目・・・飛騨沢ルートより登頂、大キレット〜北穂〜奥穂〜ジャンダルム〜西穂を経て新穂高温泉に下山。
  5度目・・・貧乏沢経由北鎌尾根より登頂、表銀座ルートから下山。
  6度目・・・飛騨沢〜西鎌尾根より登頂、飛騨沢から下山。

 開山者播隆上人も登った最もオーソドックスなはずの槍沢ルートは7度目にしてはじめて登山ルートとして採用したのでした。
 槍沢ルートを敬遠していた理由は、下山した時にやたら長く比較的単調なので辛そうだったから。
 それに個人的には縦走スタイルが好きなので出来れば表銀座とかから常に槍を見ながら登ってた方が幸せを感じるから。
 まぁ、単にわがままなだけですね。


頂上で記念撮影
  

影槍
  

小槍を見下ろす
  

北ア大展望(黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶)
  

笠ヶ岳と影槍
  

穂高連峰と遠くに乗鞍・御嶽
  

懐かしい北鎌尾根


 頂上は360°の大展望!!
 東方向の八ヶ岳・南アルプス・そして富士山は残念ながら見えなかったけど、その他は北アほぼ全ての山々に加え、 北は妙高、西は白山、南は中央アルプスや御嶽までほんとよく見えた!!
 そしていつも槍に登ったときに感じる物足りなさ=当然だけど北アの主役☆槍が見えない、は今回影槍が見えた事で無事?解決!!

 かつて登った山々に思いを馳せてこの素晴らしい景色に満足したら下山。

 テン場に戻ったら遅めの朝食。
 で、テント撤収したらあとは来た道をそのまま戻るだけ。

 グリーンバンド下の最後の水場の水が冷たく美味しかった事と、対照的に槍沢キャンプ地の水場の水がぬるくてイマイチだった事以外は 特に印象に残るものも無く淡々と横尾まで下る。

 この週末、涸沢でイベントがあったらしく横尾までくるとファッショナブルな若い登山者が大勢いたのには少し驚いた。
 まぁとりあえずここまで無事に下りて来れたのでいつものように?軽くビールで喉を潤して、後はだらだら平坦な道を歩いていく、
予定だったのがいつのまにかタイムトライアル?に変更。
 おかげで横尾−徳沢間が45分(コースタイム70分)、徳沢−明神間が30分(同60分)、明神−河童橋間が35分(同60分)と かなり速かった。
 が、まぁテント背負ってこんだけ速く歩けば(一部走った)当然疲れるし休憩も必要なわけで、それを考えると効率は あんまり良くなかったけど、個人的には楽しめた。

 で、最後にみんなでお決まりの記念撮影。


下山後の記念撮影


 あとはいつものように温泉に入ってそれぞれの帰途へ着いたのでした。

   
その他 ・沢渡の市営第2駐車場(足湯のある駐車場)は夜中でも開いていますが、 午前0時を起点として料金が発生するため、前夜泊の場合は2日分の料金が掛かります。
 ちなみに1日500円です。
 




inserted by FC2 system