My Favorite Mountains No.34

五竜岳〜唐松岳 山域;北アルプス 難易度;☆☆☆
山行日;2009.09.19()〜20()
ルート
第1日目;白馬五竜スキー場−遠見尾根−五竜山荘−五竜岳−五竜山荘
第2日目;五竜山荘−唐松岳−八方尾根−八方池−白馬八方尾根スキー場
ガイド

感想
 
 今年3回目の北アルプスは、超一級の展望が楽しめアクセスも楽なので何回か訪れている五竜岳〜唐松岳のプチ縦走。

 このルートは逆ルート(唐松→五竜)も含め何度か訪れてはいるのですが(過去の記事)、ここ数年は計画はするけど悪天候で断念、 っつー事が2回ほどあったのでようやく来れたという印象が強い。
 そして五竜岳には登ってみたいという嫁と久々の夫婦水入らず?のテント泊1泊2日山行となったのでした。

 世間ではシルバーウィークとかいう5連休らしく、どこの山も大混雑が予想されたものの土曜朝の白馬五竜スキー場の 駐車場はそこまでの混雑は感じられない。
 準備して、午前8時半頃テレキャビン(片道860円+荷物料200円)に乗って久しぶりのアルプス平着。
 この時は雲が多いながらも青空も見えていて、天気予報どおりこれから天気が回復して鹿島槍を眺めながら登って行ける、 と思っていましたが…


アルプス平より雲間の白馬岳


 午前8時45分にアルプス平発。
 前回同様、いったん下ってから乗るリフトにあまりメリットを感じないためテレキャビンの山頂駅から歩き出す。
 アルプス平の山野草園でコマクサとか夏の名残の花を楽しんだ後は小遠見山まで木段の多い道を登っていく。
 いつの間にやら青空は視界から消えていて展望は無いが所々紅葉している木々が目を楽しませてくれる。


木段地獄
  

遠見尾根の紅葉@


 出発から1時間30分ほどで小遠見山山頂。
 ガスのせいで期待していた五竜岳や鹿島槍ヶ岳の展望は無し。

 大遠見山(ピークは通らない)で昼食を摂りつつガスが晴れるのを待つもやはり×。
 かつて綺麗な紅葉を見た事がある西遠見の池周辺は紅葉は始まっていたものの本番はもう少し先になりそうなのと やはりガスのせいで光が無いのでイマイチ。
 うーん、日頃の行いが良いから今回も晴れると信じて疑っていなかったのに…

 西遠見を過ぎると尾根は狭く、急な岩場も出てくるがここでも所々で綺麗な紅葉が癒してくれる。


遠見尾根の紅葉A
  

西遠見の細い尾根
  

遠見尾根の紅葉B


 急な登りや岩場は長くはなく、まもなく白岳の頂上に出るもやはり展望なし。
 白岳から下りてすぐに五竜山荘。
 アルプス平からここまで約4時間30分と珍しく登りでコースタイムを短縮。
 で、テン場の受付を済ませ、嫁とビールで乾杯していると急にガスが晴れてくる。


テン場より五竜岳


 どうも稜線を境に信州側は依然ガスの中だけど黒部側は晴れてるっぽい。
 天気は予報どおり回復傾向にあると知って安心したのと、寝不足&アルコールが回って睡魔に襲われたため とりあえずテントの中で30分ほどお昼寝(-_-)zzz

 昼寝してすっきりしたら最小限の荷物で五竜岳山頂に向かう。

 稜線の黒部側を緩やかに登って、途中からは急な岩場。
 今回みたいに荷物が軽ければ何の問題も無いけど、鹿島槍への縦走とかで荷物が重い場合とかはしんどいところ。


五竜岳への登り


 写真撮ったり先行パーティを待ったりしながら登ってテン場から約50分で久々の五竜岳(2814m)頂上!!


五竜岳頂上で記念撮影


 五竜岳頂上にはもっと立派な標識があった気がするんだけど…記憶違いかな?

 頂上からは北側の白馬岳方面は見えるものの他はガス。


五竜岳より白馬岳方面


 白馬岳方面の景色を楽しみつつ、ガスが晴れるのをしばらく待ち続けると…


雲に浮かぶ剱岳


 BGMに天空の城ラピュタの音楽が掛かってきそうな光景で現れた剱岳!!
 快晴の山も素晴らしいけどこういうシチュエーションの山もまた素晴らしい!!

 さらに待ってると…


雲の向こうに鹿島槍


 五竜岳山頂からの展望の主役、鹿島槍ヶ岳がその凛々しい姿を見せる。
 これだけを見に来たといっても過言ではないほど、五竜山頂から見る鹿島槍が好き。
 そしてその鹿島槍の横に遠く槍・穂高も見える。
 やっぱり五竜岳は超一級品の展望を持つ山だと再確認出来た事に満足したら下山。

 登ってくる途中は全く見えなかった鹿島槍もガスの向こうに見え隠れして、立ち止まって見たり 写真撮ったりしながら下る。


八峰キレットと鹿島槍
  

大黒岳付近の稜線を流れる雲


 鹿島槍や白馬の景色を楽しみながら下ってくるとなにやらテントの数がめっちゃ増えてる!!


テン場も満員御礼


 数えてみたらなんと40張り以上!!
 五竜山荘のテン場は狭く、ここに40張り以上とはさすが5連休?!
 これだけひしめきあってるのでちょっとしたいざこざもあったけど(-_-メ)、 美しい夕日を眺めながら定番の鍋を食べて本日終了。


落日
  

落日後の雲海と毛勝三山




 いつものように夜中に目が覚める。
 この前槍に登った時は雲は無かったけど満月で星はあまり見えなかった。
 それから2週間。
 ほぼ新月。
 そして冷え込んで透き通った空。
 というわけで、久々の超☆満天の星空\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

 山に登って満天の星空を見ることはあっても、ここまで凄いのはなかなか無い。
 作者の記憶の中では10数年前に北岳で見て以来。
 この超☆満天の星空を写真でお伝え出来なのは残念ですが…
 記憶の片隅に追いやられていた「天の川」なるものも久しぶりに見れたし、流れ星☆彡も3回ほど見れた。
 嫁とテントから顔だけ出してしばらく星空を眺めてから二度寝。


 朝5時に目覚ましが鳴って起きるもめっちゃ寒くてなかなかシュラフから出られない。
 いつもはご来光最優先で行動するけどあまりに寒いのでどうでもよくなって、まずテントの中で朝飯。

 美味しい雑炊を食べて身体が温まったらようやく思い腰を上げてカメラを持って稜線に出る。
 この時点で5時30分過ぎてたし、もう出ちゃったかな〜と思ってたら東の空に雲があってまだ太陽は雲の中。
 寒い中しばらく待って5時48分、ようやくご来光。


夜明け前の八ヶ岳・富士山・南アルプス
  

モルゲンロートの五竜岳
  

ご来光と遠見尾根
  

朝陽に照らされる雲海


 東の空の雲のおかげでご来光に間に合ってよかった反面、雲のせいでご来光がイマイチだったのは残念でしたが この前の槍でいいご来光見れたのでまぁいいか。

 テントを畳んで準備できたら今日は唐松岳に向かって出発。


唐松岳に続く稜線


 まずは緩く下っていく。
 左に剱を眺めながらの稜線歩きは快適そのもの。
 Hakuba47スキー場からもよく見える大黒岳との鞍部まで下ったら今度は登り返し。


稜線上の小ピーク、大黒岳
  

くすんだ紅葉と剱岳


 白岳(五竜山荘南の小ピーク)〜大黒岳までは緩く下ったけど、大黒岳〜牛首(唐松岳頂上山荘北のピーク)までは 岩稜帯を含むやや急な登り。
 ガイドブックでは五竜・唐松の縦走は八方尾根から入って遠見尾根から下るのを推奨しているのが多いけど、 この岩稜帯を下りにするよりは登りにした方がよっぽど楽だし安全だと個人的には思う。
 登り優先のマナーに気を配る余裕も無く怪しげな足取りでやっとこさ岩場を下ってくるおばさん達を見てると特に。


岩稜帯でカメラを構える嫁


 まぁ、岩稜っつってもちゃんと鎖はついてるし岩もぼろぼろ崩れてくる事とかもほとんど無いので 天気が良ければ技術的には問題の無いところだと思う。
 ここの稜線で自分の技術に不安を感じる方は不帰ノ嶮(かえらずのけん)とか大キレットとか行っちゃダメっす。

 牛首を越えてコースタイムどおり出発から2時間30分ほどで唐松岳頂上山荘着。


牛首付近より五竜岳までの稜線
  

唐松岳頂上山荘より唐松岳


 一息ついたら唐松岳山頂へ向かう。
 10分強で今回の山行で2つ目のピーク、唐松岳(2696m)に到着。


唐松岳より五竜岳と遠くに槍・穂高
  

唐松岳より立山・剱
  

唐松岳より白馬岳と不帰ノ嶮


 快晴の空の下、文字通り360°の大展望を楽しんだら下山あるのみ。
 前回ここに来たときは友人らと駆け下りて楽しんだので今回もそれを目論んでいたのだけど、 5連休の2日目とあって、後から後からものすごい数の人が登ってきて断念。


八方尾根を登ってくる登山者の列


 山でこんなに多くの人を見るなんて、ほんと富士山かよッって突っ込みたくなる。
 歩いている時間よりもすれ違い待ちのために立ち止まってる時間の方が多いくらい(-_-メ)

 まぁ、止まってる時間が長い分景色見たり写真撮ったりする余裕はあるわけだけど…


紅葉が始まってきた八方尾根
  

不帰ノ嶮三峰(左)と二峰(右)の豪快な景色
  

八方尾根の紅葉
  

なかなか途切れない登山者の行列
  

丸山ケルン付近より鹿島槍と五竜


 大勢の登山者とすれ違いながら下っていると、なんとモーグル関係の知り合いとばったり遭遇。
 乗鞍大雪渓以外のこんな山の上でモーグル関係者と会えるとは思っていませんでした(^^)

 上の樺の雪渓のあるところで軽く休憩して、さらに下ってようやく八方池が見えてくる。


観光客で溢れかえる八方池を見下ろす


 こんだけ登山者が多ければ八方池付近は凄いことになってるだろうと思ったらやっぱりその通りだった。
 それでも池のそばでなんとか2人座れる場所を見つけて昼飯を摂る。
 何気に池に白馬三山が映って綺麗だったんだけど、人の多さにうんざりして写真を撮る気になれなかったっす。

 で、もうほとんど都会並みの混雑の中ストレス溜めながら八方尾根スキー場の最上部に到着。
 作者はここに着く前からリーゼングラートは歩いて下ると決めていたけど、クワッド下り線乗り場の大行列を見て 絶対歩いて下った方が速いと確信できた。

 その大行列を見てもリフトで下りると言う嫁を置いて、独りリーゼングラートのコースを下りる。
 ここまでちんたらちんたら歩いてストレス溜まりまくりだったのでここは爽快に駆け抜けてストレス解消!!
 大きなザック背負ってカウベルをガンガン鳴らしながら駆け抜けていくと皆さん (と言っても家族連れが少しいた程度だけど)快く?道を譲ってくれるので立ち止まることもなく下りることが出来た。
 いい汗をかくとともにストレスも解消してグラートの下でゆっくりと嫁を待つ。


黒菱の上から白馬三山と黄葉


 あの行列だと30分くらい待つかな〜と思いきや、10分ほどで登山道から下りて来た。
 なんでも並んでても全然進まないので歩いて下りて来たとの事。

 お次は兎平の横に掛かるアルペンクワッド。
 金欠だし、体力はまだ余ってるのでここも駆け抜けたかったけどどうやら登山道が無いらしい。
 黒菱までなら前回も歩いて下ってるし道があるのは分かってるけど、今回は車を取りにいく都合上 ゴンドラから降りないといけないので、渋々リフトで下山。
 まぁ、ここは待ち時間も無かったので助かりましたが。

 八方SM会場を横目にリフトで兎平を下って、109でトイレ&コーラ休憩したらゴン下。

 ゴンドラ山麓駅〜白馬五竜スキー場駐車場まではタクシー@2500円で戻って、今回の登山終了。

 下山後はジェラート&温泉で白馬を満喫して帰途に着いたのでした。



 それにしてもこのルートは楽に稜線に立てて景色も一流。
 登山者が多いのもうなずけます。
 が、なんぼなんでも今回の人の多さは異常でしょう。
 あまりの人の多さにストレスも感じる事もありましたが、 超☆満天の星空とか五竜からの鹿島槍の景色とか満足出来たからまぁ良しとしましょう。

   
その他 ・白馬五竜スキー場のゴンドラは片道860円。10kg以上の荷物はさらに200円の荷物料。
 駐車場は無料。
・白馬八方尾根スキー場はゴンドラ片道860円、アルペンクワッド片道270円、グラートクワッド片道270円。
 ゴンドラ〜グラートクワッド通しは片道1400円との事。荷物料は忘れた。
 駐車場は500円〜。(少し歩くけど名木山第3駐車場なら無料)
・八方のゴンドラ山麓駅〜五竜の駐車場のタクシー台は2500円前後。
 直通のバスとかは無いです、残念ながら。
・スキー場のゴンドラ・リフトを使用出来るのでアクセスが非常に楽な五竜・唐松岳縦走ですが、
 上記のようにお金が掛かるのと特に八方側は観光客が多いのが難点。
 でも逆を返せばお金を掛けて多少の混雑さえ我慢すればこんなに楽に北アルプスの稜線に立つ事が
 出来るルートです。
・楽だと言っても北アルプスの中では、という比較の話なのでスニーカーとかなめた装備での
 五竜〜唐松間の縦走はやめましょう。




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