My Favorite Mountains No.36

剱岳 山域;北アルプス 難易度;☆☆☆
山行日;2010.07.31()〜08.01()
ルート
第1日目;室堂−別山乗越−剱沢キャンプ場
第2日目;剱沢キャンプ場−別山尾根−剱岳−別山尾根−剱沢キャンプ場−別山乗越−室堂
ガイド

感想

 今年はけっこう山には行っているものの、新たにトレイルランニングを始めたため、ほとんどが日帰りのトレイルラン山行?で テント泊登山は今回が今年初。

 メンバーはいつものアル研メンバー、K林・K守・K原・S東に作者の5名。

 昨年槍へこのメンバーで登った時に、「来年は剱に行こう、ただし、一番楽なルートで。」っつー事で、一番楽だけどお金も掛かる 扇沢〜室堂まで黒部立山アルペンルートをフル活用して別山尾根から登る事にしたのでした。



 土曜の朝7時に扇沢駐車場に集合。
 ・・・これまで扇沢も何度も来た事あるけど、こんなに車・人が多いのは初めて見た。
 東京から来たK守・K原組と長野の作者はなんとか無料駐車場に停めれたもののちょっと遅れてきた愛知のK林・S東組はどこを探しても 無料駐車場の空きが無く、やむなく有料駐車場へ停める。
 ここの有料駐車場、山の中のくせに1日1000円も取るので宿泊を伴う山行の場合は財布に痛いです。

 さて、集合して団装を分担してパッキングし直したら出発。
 黒部立山アルペンルートの扇沢⇔室堂往復券8800円と扇沢〜黒部ダム間の荷物量片道分210円を支払ってまず最初のトロリーバスに乗る。

 15分くらい?で黒部ダム到着。
 黒部ダムは歩いて渡らなければならないが、バス終着駅の標識をみると分岐を右に行っても左に行ってもどちらも室堂って書いてあったので 右へ進むも・・・これが間違い。
 この右へ行く道は黒部ダム展望台に通じており、確かに展望台に登った後その先の階段を下れば室堂方面へは行けるけど、無駄に登り過ぎてしまった(T_T)


展望台より黒部ダム


 階段を下りて黒部ダムの上を通って今度はケーブルカー。
 黒部湖〜室堂間の荷物量片道分400円をまた払って、やっぱこのルートは金掛かるな〜と思う。

 ケーブルカーを降りたら次はロープウェイ。
 予想通りここで待ち時間発生。
 それでも扇沢のあの賑わいの割りに待ち時間30分だからマシな方か?

 ロープウェイの展望台に行くもガスで山の景色は見えず。うーん。
   んで、ロープウェイ乗って再度トロリーバスに乗ってようやくスタート地点の室堂。
 今回は扇沢〜室堂まで約2時間。
 待ち時間が発生したのがロープウェイだけだったのでまぁ順調に来た感じ。



 観光客でごったがえす室堂駅から外に出ると・・・ガス&小雨でテンションダウン↓↓

 でもカッパを着て行動するほどじゃないのとほどなくガスも少し晴れてきて行動開始。

 何度か室堂も来てるけど、今まで見た事が無かった地獄谷ルートから雷鳥沢に取り付く。
 当初計画では新室堂乗越に出て景色見ながら稜線を歩こう、と思ってたけど、ガスって景色もあんまりないので 無難に雷鳥坂ルートを選択。

 で、さすが豪雪地帯だけあって、雷鳥沢もまだ残雪が豊富!!


残雪豊富な雷鳥沢


 雷鳥坂を登り詰めると別山乗越。
 そして本日の登り行程は全て終了。
 天気が良ければ別山からの剱岳は素晴らしいので是非見たかったけど、生憎の天気のため断念。


別山乗越から見た室堂一帯


 あとは剱沢のテン場に行って宴会の準備。

 時折ガスが薄くなって剱が見えそうになるんだけど・・・今日は前剱までしか見えませんでした。


剱沢のテン場より剱岳方面の眺め


 まぁ、剱が見えようが見えまいが宴会はいつもどおり行われるわけで・・・
 毎度の事ながら他愛の無い話で盛り上がるも睡眠不足もあり夜8時前にはお休みなさい。


 朝3時過ぎに起きると昨夜のガスは取れて、うっすら剱の頂上も見えている。
 朝食摂って4時過ぎに出発。

 夜明け前の雪渓横断は雪が固く滑りやすいため緊張する。


未明の剣沢雪渓


   3回くらい雪渓を横断したころ空がやや明るくなってくる。


朝の前剱と源次郎尾根


   やがて剣山荘に到着し、ここでK原のトイレ待ちをしている間にご来光。


五竜岳からのご来光
 

五竜と鹿島槍


   ご来光を堪能したらまずは一服剱に向けて登り始めるも、だんだんガスが出てくる。


薄靄の中の幻想的な景色


 一服剱に着く頃にはすっかりガスの中。
 そこから前剱までさらにガスは濃くなり、岩も濡れて危険度も増してくる。
 ガスの濃さと濡れて滑りやすくなった岩にテンションも下がって「撤退」の2文字が頭をよぎるも 現時点ではそこまでじゃないと判断して決行。

 途中どの辺だったか忘れたけど、水平の梯子を渡る箇所があり、かなり緊張する。
 帰りはこの梯子通らなかったので登り専用ルートなのだろうけど、恐怖感は有名な「カニのタテバイ・ヨコバイ」に 匹敵しました。

 で、その「カニのタテバイ」は軽く渋滞してたのでしばらく待ってからゆっくり通過。
 ほんとはここからの写真を撮りたかったのだけど、このガスで断念しました。
 それにしても・・・ここの高度間は凄いなぁ。
 高所恐怖症の方は絶対に無理だろうな〜。

 カニのタテバイを過ぎると一瞬の青空がのぞく時もあり、その時間・頻度がだんだん上がってくるとテンションも↑↑。

 早月尾根との合流地点から急速に晴れてきて先ほどまでの天気からは信じられない快晴の空の下、 ついに剱岳(2999m)頂上に到着\(^o^)/


剱岳山頂での記念撮影


   はじめは周りの景色も雲海ばかりでわずかに立山だけが顔を出している程度だったのが、だんだんとガスが下がって やがて薬師・笠・そして槍まで見渡せるようになり、ここまでの苦労が一気に報われる!!


雲海に浮かぶ立山
 

遥かかなたに槍・水晶・笠・薬師


 このメンバーで登った山だけでも槍・笠・蓮華・針ノ木あたりは見ることが出来ました。

 遠景も素晴らしいけど、数本もの尾根・岩稜で構成される剱は近景もまた素晴らしい!!


雲海に聳える八ツ峰
 

今回登った別山尾根


 さて、十分に景色も楽しんだし、狭い頂上も混雑しはじめたので下山開始。


カニのヨコバイ手前の鎖場


 有名なカニのタテバイ・ヨコバイ以外にも難所はたくさんあります。
 特に下りは要注意ですね。


アルピニストS東


 このメンバーの中で最も登山暦の浅いS東も立派なアルピニストに育ちました(^^)
 穂高・槍・そして今回の剱と美味しいところばかり登ってる(しかも地味に晴れ男?)彼には そろそろ真夏の南アルプスの湿度100%樹林帯の登りなんかも経験してもらった方がいいかも?


剱岳本峰
 

カニのタテバイ・ヨコバイ付近


 ちょっとガスが掛かって分かりにくいですが、カニのタテバイ・ヨコバイ付近の写真を撮ってみました。
 鎖や梯子がなかったらクライマー以外は登れたもんじゃないですね。
 また、カニのタテバイ・ヨコバイ直下の平蔵のコルにはトイレがある事になっていますが、一見、ドアのない小さな小屋。
 ここで用を足すのは超緊急時くらいなもんでしょう。

 さて、ここから先はまたガスで視界の聞かない中の下山。
 前剱も下山時は通らないのでいつ通過したのかよく分かりませんが、気がつけば一服剱への登り返しで、 ちょこっと下って剣山荘。

 ここまで下りてくるとまた晴れていて剱沢雪渓上部の残雪の多さに改めて驚かされる。


剱沢雪渓を渡るメンバー
 

さらに上部に続く剱沢雪渓
 

万一滑ったら・・・


 テン場まで戻って撤収作業して昨日来た道をそのまま戻る。
 テン場から先ちょっと行くとまたガスの中。
 10分ほど登ったとこで忘れ物に気づいてテン場まで取りに戻るというちょっとしたアクシデントはあったものの あとは別山乗越まではガスの中ひたすら登って、そこから先も昨日と同じ道をそのままひたすら下る。

 雷鳥沢のテン場からは辛い登り返し。
 昨日も同じ道を下ってるし、分かっちゃいるけど辛い。特に階段が。

 ガス時々小雨の悪天候ながらも室堂はたくさんの観光客であふれかえっていた。
 今話題の山ガール風な人たちもいた。剱岳では、っつーか雷鳥沢から先では一人も見なかったけど(^_^;)
 室堂から扇沢はさしたる混雑も無く、2時間ほどで扇沢に到着。

 過去に西穂〜ジャンダルム〜奥穂間を歩いているK林以外のK守・K原・S東の3名にとっては 今までで最も難しいコースでしたが、全員無事に下りて来る事が出来ました。

 これにて今年のアル研山行は終了。

 来年の事はまた来年みんなで考えましょう。
 作者的には、よりハードなところも良し、緩〜いところでもなお良し、って感じです。  

  
その他 ・剱岳に登るには2本の一般ルート(別山尾根・早月尾根)がありますが、
 早月尾根は体力はかなり必要だけど、技術的には比較的楽。また、人が少なく快適。
 別山尾根は体力はそれほどでもないけど、技術とメンタルがある程度必要。特に高所恐怖症の人はNG。また、大渋滞する事もあり。
 といった特徴がありますのでそれぞれお好みで選ぶといいと思います。




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